柔道は、個人競技であり、個人戦が、その華に思われます。
しかし学校のクラブ活動や町道場では、団体戦もメインテーマとなります。
柔道の団体戦はみていて楽しいです。
先鋒が何人抜きするのか、大将同士の戦いなど、個人戦では味わえないスリルがあります。
柔道の団体戦のルールについて説明します。
柔道の団体戦は、数人の選手が1チームとなって、チーム同士で戦います。
通常、1チーム5人で構成され、5対5で戦いますが、大会によっては人数が変わる場合があります。
そして柔道の団体戦は、「勝ち抜き戦」と「点取り戦」の2種類があります。
例えば、高校柔道における2大タイトルとして「金鷲旗大会」と「インターハイ(高校総体)」がありますが、金鷲旗大会は「勝ち抜き戦」で行なわれ、インターハイでは「点取り戦」が採用されます。
点取り戦はチームの全員の試合の「勝ち」「負け」「引き分け」のポイントを総計して競い合います。
勝ち抜き戦では、最初の選手が1人で、相手チーム全員に勝つという場合もあります。
また日本国内での柔道の団体戦では、体重での区別はありませんが、世界の柔道の団体戦では、体重別に選手が対戦するようになっています。
ただし日本国内でも、小学生、中学生の柔道の団体戦では、基本的に体重順に並べなければならないというルールがあります。
これはまだ発達しきっていない体で、体格差のある者と試合で対戦し大きなケガをしないようにという配慮です。
高校以上の柔道の団体戦では、選手の配置は自由に行えます。
1.先鋒、次鋒、中堅、副将、大将
柔道の団体戦は、数人の選手が1チームとなります。
通常、1チーム5人で構成されますが、その試合の団体戦のルールによって、それ以外の人数で戦うこともあります。
5人で構成される団体戦の場合、それぞれは、先鋒、次鋒、中堅、副将、大将と呼ばれます。
そして先鋒から順番に戦っていきます。
名前から考えると、後ろに行くほど強い選手のように思われます。
実際に、その通りであることもあります。
しかし戦略的に、先鋒に1番強い選手が出たり、1番弱い人が大将になったりして、その名前の通りではない場合もあります。
2.点取り戦
柔道の団体戦における点取り戦は、「先鋒 vs 先鋒」「次鋒 vs 次鋒」「中堅 vs 中堅」「副将 vs 副将」「大将 vs 大将」という順番で試合が進みます。
そしてそれぞれの試合の「一本勝ち」「判定勝ち」「引き分け」「負け」をポイント化し、その優劣を競います。
大将戦が終わった時点で、ポイントが同じだった場合は、チームの代表者が出て、代表戦が行われます。
柔道の団体戦における点取り戦では、先鋒、次鋒、中堅が連勝すれば、その時点で、団体戦の勝負は決します。
この場合、その試合の団体戦のルールによって、副将戦、大将戦を行う場合と行わない場合があります。
柔道の団体戦では、副将、大将に主力を持ってくることが多いですが、点取り戦で確実に勝ちポイントを得るために、戦略的なオーダーが組まれることがあります。
こうした対戦前の駆け引きも、柔道の団体戦の面白さの1つです。
柔道の団体戦における点取り戦では、チームのエースを中堅に配置することが多いです。
なぜなら先鋒、次鋒、中堅が3勝すれば、勝負が決まってしまうからです。
3.勝ち抜き戦
柔道の団体戦における勝ち抜き戦も、点取り戦と同様、「先鋒 vs 先鋒」から始まります
先鋒戦が、引き分けに終われば、次に「中堅 vs 中堅」が行われます。
しかし先鋒戦がどちらかが勝てば、次は「先鋒 vs 中堅」が行われます。
つまり勝てば、次の対戦相手と対戦することができます。
そして柔道の団体戦における勝ち抜き戦は、どちらかの大将が負けるまで行われます。
もし先鋒が、5人抜きする(相手チーム全員に勝つ)と、次鋒、中堅、副将、大将は、戦わずしてチームは勝利することになります。
先鋒が5人抜きを行うこともあれば、大将が5人抜きを行うこともあり、これも柔道の団体戦ならではの醍醐味です。
勝ち抜き戦では、先鋒にチームのエースを置いたり、相手のエースを止める役割の選手を配置するなど、点取り戦同様、戦略的なオーダーが組まれることがあります。
ポイントは、チームのエースをどこに置くかということになります。
3.先鋒の重要性
団体戦では先鋒戦が重要だといわれています。
先鋒が勝てばチームに勢いがつきます。
もし負ければチームに嫌なムードが流れます。
オリンピックメダリストであり、総合格闘技でも活躍された吉田秀彦氏は、学生時代に初めて団体戦のメンバーに選ばれ、先鋒で出たとき、試合には勝ったものの、その勝ち方が、先にポイントを
奪って逃げ切っての判定勝ちでした。
この後、チームは負けてしまったのですが、吉田秀彦氏は、指導者にみんなの前で「負けたのはお前のせいだ」と叱責されたそうです。
このとき先鋒は「負けない」こと「勝つ」ことに加え、「攻め続ける」ことが要求されるのだと吉田秀彦氏は自覚されたそうです。
そして初のオリンピックで、オール1本勝ちで金メダリストとなるという快挙、そしてその超攻撃的な柔道を完成させました。
実際、先鋒にエースが起用されたり、明るいムードメーカー的な選手、よく動く元気な選手、絶対に引き分け以上に持ち込める選手など、先鋒の役割にマッチした選手が選ばれます。
柔道に限らず、スポーツのトップ選手に共通しているのは、プラス思考です。
プレシャーを励ましやエネルギーに替えることができて、悪い状況の中でも積極的で、前向きで、建設的な行動をとれる人間になることが柔道の上達であり目的でもあります。
負けることや失敗を恐れず、あきらめず挑み続けることです。
4.とにかくあきらめない、チャレンジする
団体戦の先鋒、次鋒、中堅、副将、大将の配置を考えるのは選手の役目ではありません。
選手は、悔いの残らないように、全力で頑張るのみです。
そしてそれが何よりの柔道の団体戦で勝つ原動力であり、それが柔道の強さと上達を獲得することです。
とにかくあきらめないこと、チャレンジすることです。
どんな戦略よりも大事なことです。

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